アリス・イン・ワンダーランド(不思議の国のアリス)に見る言葉遊びの世界vol.5

映画「アリス・イン・ワンダーランド」が公開中で話題ですが、
今週は「不思議の国のアリス」のユーモア溢れる言葉遊びについて、
翻訳スタッフの投稿を連載しました。今日が最終回、「狂ったお茶会」
でのアリスと、マッドハッターの会話です。
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Hatter のなぞなぞに答えられず、降参して答えは何かときくと、
Hatter も知らないと言います。最初から答えなどなかったようです。
そこで Alice は次のように言います。
"I think you might do something better with the time. "
Alice は「時間をもっと有意義に使ったほうがよい」という意味で
言ったのですが、
Hatter は「時間に対してもっとよくしてやったほうがよい」という
意味にとります。そして時間を擬人化して次のようにたずねます。
"I dare say you never even spoke to Time!"
「きっと、時間と話しをしたこともないんだろうな!」
それに対して、Alice はこう答えました。
"Perhaps not, but I know I have to beat time when I learn
music."
「多分ないわね。でも、音楽の時間には拍子をとらなきゃならな
いの。」
*"beat time"は文字通りの意味は「時間をたたく」ですが、
「拍子をとる」の意味があります。
Hatter は、だから時間とうまくやっていけないんだ。仲良くすれ
ば、朝すぐにお昼の時間になってくれるのにと話します。
その後 Hatter は、女王の前で歌をうたったとき、女王から
"He's murdering the time! Off with his head !"
「あの男は時間を殺している! 首をはねろ!」と言われたという
話をします。
"murder the time"の文字通りの意味は「時間を殺す」ですが、
「拍子がめちゃくちゃ」という意味もあります。
つまり、調子っぱずれの歌だったのです。
いかがでしたか? ほんの一部ですが、この作品の英語の言葉遊び
の部分をご紹介いたしました。興味を持ってくださったら、是非この
作品の原書に挑戦してみてくださいね。
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アリス・イン・ワンダーランド(不思議の国のアリス)に見る言葉遊びの世界vol.4

前回会ったときはこしょうのせいで不機嫌だった Duchess (公爵夫人)
に、Alice は女王の庭で再会します。そのとき Duchess は次のように言い
ます。
"It's always pepper that makes people "hot-tempered" and
vinegar that makes them "sour"and camomile that makes them
"bitter"and barley-sugar and such things that make children
"sweet-tempered".
・It's always pepper(こしょう)
that makes people "hot-tempered"
(「辛い」と「かんしゃくをおこす」をかけている)
and vinegar(ビネガー、酢)
that makes them "sour"(「酸っぱい」と「不機嫌」をかけている)
and camomile(カモミール、カミツレ)
that makes them "bitter"(「苦い」と「無情」をかけている)
and barley-sugar(オオムギ砂糖)
and such things that make children "sweet-tempered"
(「甘い」と「やさしい」をかけている).
*It's?that…は強調構文で、…なのは?という意味です。
and と vinegar の間、and と camomile の間、
and と barley-sugar and such things の間に "it's" が省略されて
いると考えるとわかりやすくなります。
*makes A B 「 AをBにする。」
例 : makes people "hot-tempered"
peopleを"hot-tempered"にする。
「人をかっかとさせるのはこしょう、人を不機嫌にさせるのはお酢、
人を無情にするのはカモミール、子供達をやさしくするのはオオムギ
砂糖とかよ。」
英語はひとつの単語にいくつもの意味がありますから、そこを
かけて遊んでいます。日本語にただ訳しても、その面白さはわかり
ませんね。
次回は、この作品の中で最も面白いと思う"A Mad Tea-Party"
(狂ったお茶会)の章に出てくる言葉遊びの部分をご紹介します。
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アリス・イン・ワンダーランド(不思議の国のアリス)に見る言葉遊びの世界vol.3

今日は「不思議の国のアリス」に登場する人物/生物の名前の由来です。
今週のブログは、翻訳スタッフ106が担当しています。
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この作品には、個性豊かがでおもしろい生物がたくさん登場します。
その名前にはそれぞれ次のような由来があるそうです。
・Mock Turtle(にせ海ガメ)
「代用海ガメ」「海ガメフウ」「海ガメもどき」などとも訳されます。
Mock Turtle Soup(海ガメスープのまがいもの)という、海ガメの
代用品に仔牛を使ったスープがあり、Mock Turtleは海ガメの代用に
使われた仔牛を擬人化した架空の生物のようです。さし絵をみると、
顔と足が仔牛で体が海ガメです。
・March Hare(三月うさぎ)
英語の慣用句 "mad as a march hare(三月のうさぎのように気が
狂っている)"を擬人化したキャラクターです。三月は野うさぎの
発情期の始まりで、気が違ったように見えるからとのことです。
・Hatter(帽子屋)
英語の慣用句"mad as a hatter(帽子屋のように気が狂っている)"
を擬人化したキャラクターです。当時の帽子屋は、フェルトの加工に
水銀を使用しており、その影響によるものらしいです。
・Dormouse(ヤマネ、眠りねずみとも訳す)
英語の語源で「眠るねずみ」の意味(冬眠が長いため)があり、
またフランス語で"dormouse"は「よく眠る(女の)人」の意味だから
でしょう。
・Knave of Hearts(トランプのハートのジャック)
Knaveには「悪党」の意味もあります。
・Cheshire Cat(チェシャー猫)
英語の慣用句"grin like a Cheshire cat(チェシャー猫の様に
ニヤニヤ笑う)"を擬人化したキャラクターです。
この慣用句の語源にはいくつかの説があり、
(1)酪農が盛んなチェシャー地方には有名なチェシャー・チーズを
始めとする酪農製品が豊富にあり、ミルクやクリームが好きな
猫にとっては好物が沢山あるからついニコニコするため
(2)チェシャー・チーズに集まってくるネズミを捕まえてご満悦であるため
(3)チェシャー・チーズが猫の形に作られていたため
(4)当地方の有力な一族の紋章のライオンが、笑う猫に似ていたため
などが挙げられます。
次回はCheshire Catの飼い主であるDuchess(公爵夫人)の
"double meaning(2重の意味)"だらけの言葉をご紹介します。
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アリス・イン・ワンダーランド(不思議の国のアリス)に見る言葉遊びの世界vol. 2

今週は、映画「アリス・イン・ワンダーランド」にちなんで
翻訳スタッフ106が英語の言葉遊びを連載しています。
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さて、Mock Turtleが通っていた学校で教えていた科目は、
ビクトリア朝時代の、当時教えていた科目をもじっています。
その内容は次のようなものです。
・Mock Turtleの学校 : ビクトリア朝時代の科目
・Reeling : Reading
(よろめき):(「読み方」のもじり)
・Writhing : Writing
(身もだえ):(「書き方」のもじり)
・Mystery : History
(謎) : (「歴史」のもじり)
・Seaography : Geography
(「海理?」海洋学を意味する造語と思われる):(「地理」のもじり)
・Drawling :Drawing
(話し方がゆっくりした):(「図画」のもじり)
・Laughing : Latin
(笑うこと):(「ラテン語」のもじり)
・Grief : Greek
(悲しみ):(「ギリシャ語」のもじり)
・Stretching : Sketching
(体を伸ばす):(「写生」のもじり)
まだ他にもありますが、比較的わかりやすいものをあげました。
よくもこんなに考えついたものだと思いませんか?
このようなナンセンスがこの作品の大きな魅力です。
ところで、Mock Turtle(にせ海ガメ)って、何だかご存知ですか?
次回は登場人物の名前の由来をお話します。
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アリス・イン・ワンダーランド(不思議の国のアリス)に見る言葉遊びの世界vol.1

ティム・バートン監督の「不思議の国のアリス」が公開中ですね。
ゴールデン・ウィーク明けの今週は、ビジネスでは気を引き締めて
このブログでは、ちょっとリラックス&頭の体操といきましょう!
アリス・イン・ワンダーランドにみる英語の言葉遊びを展開します。
今週のシリーズは、絵本の翻訳も多く手がける翻訳スタッフ106が
担当します。
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今、映画で大人気の「アリス・イン・ワンダーランド」ですが、
皆さんは原作を読んだことはありますか?
原題は、"Alice's Adventures in Wonderland(ふしぎの国でのアリス
の冒険)"ですが、英語でも"Alice in Wonderland"と省略されている
ものが結構あります。
この作品には言葉遊びがたくさん出てきますので、ぜひ原文でも
味わってもらいたいと思います。
わたしが一番印象に残っているのは、Mock Turtle(にせ海ガメ)が
学校の思い出を語る場面で「授業時間は毎日一時間ずつ減っていった」
と言います。
その理由は、"Because they're called lessons(レッスンだから)."
lesson(授業)と lessen(減る)が同じ音 [ le'sn ] な ので、
かけているわけです。
また、先生は"Tortoise(淡水のカメ)"という名前だったそうです。
"Because he taught us(先生は私達に教えてくれたから/先生はトータスだから)."
taught us が tortoise と同じ音 [ tɔ'ːrtəs ] になるので、かけているのです。
さて、このMock Turtleが通っていた学校では、どんなことを教えて
いたのでしょう?その科目がすべて、またユーモアに満ちた「かけ言葉」
からできているんですよ。
次回はそのお話をします。
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